史上かつてない規模と様相を呈した第一次世界大戦からおよそ100年となります。 アティーナ・プレスではこの戦争を伝えた資料を復刻刊行してまいります。
今回は第一次世界大戦に関して数多く存在するイギリスの刊行物の中から報道資料4点を扱います。 それぞれ独自の視点や論点を持つもので、様々な角度から考察できる資料集として構成しました。
いずれの資料も図版が豊富に掲載されています。戦時中の貴重な写真をはじめとして、地図、戦争画、ポスター、風刺画にいたるまで多様な内容で、 全体として数万点を数えるほどに充実しています。
記事についても、戦争の中での実際の出来事、生の体験や感覚から描き出されたもので、各種の資料類も多く掲載されて非常に具体的です。 ヨーロッパのみならず、中東、アフリカ、インド、極東アジアの戦線の状況が伝えられ、加えて戦時下の女性、ロシア革命、アイルランド問題、イギリスの植民地と連邦自治領などの問題にまで記事のテーマは広がっています。 第一次世界大戦の、複雑な因果関係を織りなす各種要素がそれぞれ扱われています。
さらにこれら報道資料が、戦争の情報を伝える役割とともに、戦争の宣伝、プロパガンダの道具としての役割を持っていたことは重要な側面です。 1914年9月に設置された戦争宣伝局(War Propaganda Bureau)、いわゆるウェリントン・ハウスの指揮を執った自由党議員マスターマン(Charles Masterman)は著述家であり、 コナン・ドイル、G・K・チェスタトン、フォード・マドックス・フォード、R・キプリング、H・G・ウェルズなどの著名作家をはじめ、著名なジャーナリスト、写真家、戦争画家が関わって、 大型図書を含む様々な宣伝印刷物を送り出していました。 やがて情報省が設置されると、1918年にデイリー・エクスプレス紙の社主ビーヴァ―ブルック卿がその大臣に任じられ、またタイムズ紙とデイリー・メイル紙の社主ノースクリフ卿が敵国へのプロパガンダを担うところとなります。 戦争遂行に関して出版業界がより一層大きな役割を担うようになった状況について、この資料集は示唆に富むものと言えます。
2013年配本開始!イラストレイテッド・ロンドン・ニュースが刊行した第一次世界大戦特集。
The Illustrated War NewsBeing A Pictorial Record of the Great War (1914–1918)
8回配本全16巻 ・ 各配本定価 1-4回:本体95,000円+税 / 5-8回:本体86,000円+税
2013年刊行!ガーディアン紙の戦争特集号。
The “Manchester Guardian” History of the War(1914–1920)
全9巻 ・ 定価 本体270,000円+税(分売設定あり) ・ ISBN 978-4-86340-148-8
2014年刊行!デイリー・メールの出版グループによる大衆向け週刊誌の再編集愛蔵版。
The War Illustrated: Album de LuxeThe Story of the Great European War Told by Camera, Pen and Pencil (1915–1919)
全10巻 ・ 定価 本体 285,000円+税(分売設定あり) ・ ISBN 978-4-86340-148-8
2015年刊行!戦後およそ20年後に出された戦争体験談集。週刊全51号。著名人も多数。
The Great War … I Was There!Undying Memories of 1914–1918 (1938–1939)
全6巻 ・ 定価 本体168,000円+税(分売設定あり) ・ ISBN 978-4-86340-161-7